性器の表面ではなく、その内側、本来何かを入れる場所ではない管に細い器具を通す。痛みと快感の境界に身を置く専門的なBDSM プレイの一種として、医学知識と衛生管理を前提に成立する領域がある。それが尿道責め(尿道プレイ)である。
尿道責め(にょうどうぜめ、英 urethral play / sounding)とは、男性または女性の尿道 に細い器具を挿入し、もしくは外部から刺激を加える性的プレイの総称である。本項では行為の概要、医学的リスク、BDSM 文脈での位置づけ、医学領域の sounding 器具との関係、AV ・エロ漫画 での描写を扱う。
概要
尿道責めは、(1) 専用の医療器具(sounding rod、サウンドと呼ばれる金属棒)、(2) 性具メーカーが製造する尿道専用バイブレーター、(3) 細いシリコン棒、などを尿道に挿入する行為を指す。男性では陰茎 尿道(15〜25 cm)、女性では尿道(3〜5 cm)を対象とする。
行為の核心は、(1) 通常の性器接触では届かない深部への物理刺激、(2) 「内部からの拡張感」と呼ばれる体感、(3) 排尿と隣接する感覚への性的読み替え、にある。BDSM コミュニティでは、専門知識・衛生管理・段階的な拡張を前提とする「上級プレイ」として位置づけられる。
医学的リスク
尿道は粘膜が薄く、不適切な器具・力加減で容易に出血・損傷を起こす。具体的なリスクとして、(1) 尿道粘膜の擦過傷・裂傷、(2) 細菌混入による尿路感染(尿道炎・膀胱炎・腎盂腎炎)、(3) 器具の破損・脱落による緊急受診、(4) 慢性的な尿道狭窄、(5) 男性の前立腺周辺組織への損傷、が挙げられる。
医療現場では、尿道カテーテル挿入は無菌操作下で訓練された医療者が実施する手技である。同じ尿道への器具挿入を BDSM プレイとして家庭で実施する場合、(1) 滅菌された医療グレードの器具、(2) 適切な潤滑(無菌の医療用潤滑剤)、(3) 段階的な太さの増加、(4) 異常時の即時中止、が前提となる要出典。
BDSM 文脈での位置づけ
BDSM コミュニティでは、尿道プレイは(1) 「edge play」(限界的プレイ、リスクが高くベテラン向けの分類)、(2) 専門の器具レビュー・実践ガイドが共有される領域、(3) ベテラン Dom(支配側)による段階的教育を経て初心者が試みる構造、を取る。
英語圏では「sounding」という術語(医療器具の名前から借用)で呼ばれ、専門コミュニティ(FetLife 等)で実践情報が共有される。日本では「尿道責め」「尿道プレイ」の名称で、AV・専門誌・SM クラブで言及される領域である。
AV ・エロ漫画での描写
AV ・エロ漫画 では尿道責めの描写が一定数存在する。男性向けの陰茎 尿道責めは「男性 M 」「痴女 もの」のなかで強い加虐の象徴として用いられる。女性向けの尿道責めはやや稀だが、調教系・BDSM 系作品で描かれる。
描写と現実の差として、(1) 作中では出血・感染のリスクが描かれない、(2) 衛生管理が無視されている、(3) 長時間プレイが快感に直結する演出になっている、などのフィクション特有の脚色がある。実際の安全な実践は、医学的知識と消毒環境を前提とする要出典。
関連項目
最終更新
参考文献
- 『BDSMセーフティハンドブック』 イースト・プレス (2012)
- 『Sex Toys and Health Risks』 Journal of Sexual Medicine (2018)
- 『標準泌尿器科学 第10版』 医学書院 (2021)
別名
- 尿道責め
- 尿道プレイ
- urethral play
- sounding