性ホルモンとは、主に性腺(精巣・卵巣)および副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンの総称であり、テストステロン・エストロゲン・プロゲステロンが代表的な三大性ホルモンとして挙げられる。二次性徴の発現・性欲・生殖能力・骨密度・筋肉量・気分状態など多岐にわたる生理機能に関与する。
主要な性ホルモン
テストステロン
テストステロンは男性の主要な性ホルモン(アンドロゲン)であり、精巣のライディッヒ細胞で産生される。女性の卵巣・副腎からも少量産生される。
主な機能:筋肉量・骨密度の維持・精子形成・陰毛・腋毛の発毛・声の低音化・性欲の調節・攻撃性・競争的行動との関連(議論あり)。
男性の血中テストステロン濃度は20代がピークで以後徐々に低下する。テストステロン低下(LOH症候群・男性更年期)は性欲低下・勃起不全・倦怠感・気分の落ち込みと関連する。テストステロン補充療法はこれらの症状改善に用いられる。
エストロゲン
エストロゲンは女性の主要な性ホルモン(卵胞ホルモン)であり、卵巣の卵胞から産生される。男性の精巣・脂肪組織からも少量産生される。
主な機能:乳房の発達・子宮内膜の増殖・骨量の維持・皮膚の弾力維持・膣粘液分泌・月経周期の制御・性欲への影響。
閉経後のエストロゲン急低下は、ほてり・骨粗鬆症・膣萎縮・性交疼痛などを引き起こす。ホルモン補充療法(HRT)はこれらの症状管理に用いられる。
プロゲステロン
プロゲステロンは卵胞排卵後に形成される黄体から分泌され、子宮内膜の着床準備・妊娠維持に主要な役割を持つ。基礎体温上昇の原因ホルモンとしても知られる。経口避妊薬(ピル)の主要成分の一つ。
性ホルモンと性欲
男女ともにテストステロンが性欲(リビドー)の重要な調節因子として機能することが確認されている。男性では血中テストステロン濃度と性欲・性行動頻度に相関が見られ、女性でも同様の関係が報告されている(ただし女性での相関は男性よりも弱いとする研究もある)。
テストステロンが性欲に与える影響は脳の性欲調節に関与する部位(視床下部等)への直接的な作用によるとされる。アンドロゲン受容体を持つ神経細胞がテストステロンに応答することで性的動機づけが高まるメカニズムが研究されている。
外部からの性ホルモン投与
医療的・身体的理由でのホルモン投与は広く行われており、トランスジェンダーの性別適合ホルモン療法(女性化ホルモン療法・男性化ホルモン療法)も含まれる。
テストステロン補充療法は勃起不全・性欲低下・筋力低下などを呈する低テストステロン男性に処方されるが、前立腺がんのリスクとの関係・多血症リスクなど副作用の管理が必要とされる。
スポーツ競技における禁止薬物としてテストステロンを含むアナボリックステロイドが挙げられるが、性的目的でのテストステロン服用とは文脈が異なる。
最終更新
別名
- 性腺ホルモン
- テストステロン
- エストロゲン
- sex hormone